死亡保障、いくら必要?
3つの保険の違いと遺族年金の基本
「死亡保障」って、何のためにある?
死亡保障とは、あなたが亡くなったとき、残された家族の生活が成り立つよう「お金を届ける」しくみです。
子どもが2人いて住宅ローンも残っている家庭で、一家の主な稼ぎ手が突然亡くなったら——毎月の収入がゼロになります。その穴を埋めてくれるのが死亡保障です。ただし「穴を埋める」ためのもの。家族構成・生活費・公的サポートの有無によって、必要な金額はまったく変わります。
まず知っておきたい「遺族年金」の存在
日本には「遺族年金」という公的制度があります。会社員・公務員が亡くなった場合、配偶者や子どもに年金が支給されます。この金額を把握せずに保険を選ぶと、必要以上に大きな保険を買ってしまうことになります。
月額 約10万9,000円
年額 約37万円が目安
※遺族基礎年金は18歳年度末までの子がいる場合に支給。遺族厚生年金は収入・加入期間により異なります。
出典:厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」/日本年金機構「遺族年金ガイド 令和7年度版」
遺族年金はあくまで「被保険者が亡くなった場合」に遺族へ支給される年金です。本人が生きているが病気やケガで働けなくなった場合には、遺族年金はまったく使えません。就業不能リスクへの備えは、別途考える必要があります。
→ 詳しくは「就業不能リスクと収入保障保険」をご覧ください。
死亡保険の3種類を理解する
死亡保障をカバーする保険には、大きく分けて3種類あります。
それぞれ「保障の期間」と「お金が戻るか」が違います。
一定期間だけ、割安に手厚く
10年・20年など決めた期間だけ死亡を保障するタイプ。基本は掛け捨てのため保険料が安く、同じ保険料でより大きな保障が持てます。子育て期間や住宅ローン返済中など「特定の期間だけ手厚くしたい」場合に向いています。
こんな人向け:子育て中・ローン返済中・保険料を抑えたい
一生涯の保障+解約返戻金
亡くなるまで保障が続く保険。途中で解約すると解約返戻金を受け取れます(払込保険料を下回るケースあり)。保険料は定期より高めですが、相続対策や葬儀費用の準備として活用する人も多いです。
こんな人向け:一生涯の保障が欲しい・相続対策・葬儀費準備
死亡保障+満期保険金の両取り
定めた期間内に亡くなれば死亡保険金、満期まで生存すれば同額の満期保険金を受け取れる「生死混合型」の保険。必ずお金が受け取れる分、保険料は3つの中で最も高くなります。
こんな人向け:保障と貯蓄を同時に確保したい(ただし利回りは要確認)
| 比較項目 | 定期保険 | 終身保険 | 養老保険 |
|---|---|---|---|
| 保障期間 | 一定期間 | 一生涯 | 一定期間 |
| 保険料水準 | 安い | 中〜高め | 高い |
| 解約返戻金 | 基本なし | あり | あり |
| 満期保険金 | なし | なし | あり |
| 主な活用場面 | 子育て・ローン期間 | 相続・葬儀費用 | 保障+貯蓄の両立 |
参考:生命保険文化センター「定期保険・養老保険・終身保険の違いは?」(jili.or.jp)
死亡保障が「特に必要な人」と「そうでもない人」
| 必要度が高い | 比較的低くてよい |
|---|---|
| 子育て中(特に片働き世帯) | 子育てが終わった世帯 |
| 住宅ローンがある(団信未加入) | 住宅ローン完済済み |
| 配偶者が専業主婦(夫) | 共働きで収入が安定している |
| 自営業・フリーランス(遺族年金が少ない) | 独身・扶養家族なし |
多くの住宅ローンには団信が付いています。ローン契約者が亡くなった場合に残債が0になるしくみのため、団信に加入している場合は住宅ローン分の死亡保障は別途不要になります。
必要な死亡保障額の考え方
必要保障額 = 家族が必要なお金 ー すでにある資産・公的保障
- 家族の生活費(月額 × 必要な年数)
- 子どもの教育費(大学まで含めると1人あたり1,000万円前後)
- 住宅ローン残債(団信があれば不要)
- ここから、遺族年金・退職金・貯蓄を差し引く
たとえば、子ども2人(10歳・8歳)、配偶者が専業主婦、住宅ローン残(団信あり)の家庭なら——生活費と教育費の合計から遺族年金を差し引いた「不足分」が、本当に必要な保障額です。
よくある「やりがちな失敗」
- 子どもが独立したのに、昔のまま高額保障を続けている
- 団信があるのに住宅ローン分も死亡保障に含め、二重払いになっている
- 遺族年金を知らずに全額を保険でまかなおうとしている
- 養老保険の保険料が高いのに「貯蓄になるから」と続けている(利回りを確認していない)
- 独身なのに不要な死亡保障に入っている
ライフステージで見直すタイミング
死亡保障の必要額は、人生のステージによって変わります。「一度入ったら終わり」ではなく、節目ごとに確認することが大切です。
- 結婚したとき
- 子どもが生まれたとき
- 住宅ローンを組んだとき
- 子どもが独立したとき
- 定年退職が近づいたとき
特に「子どもが独立してローンも終わった」タイミングでは、死亡保障を大幅に減らせることが多いです。その分の保険料を老後の資産形成に回すほうが合理的なケースがほとんどです。
まとめ
死亡保障の本質は「自分がいなくなっても、家族が困らないようにする」こと。そのためには感覚で大きな保険に入るのではなく、まず遺族年金でいくら補えるかを確認し、そこから「不足分だけを保険でカバーする」考え方が出発点です。
定期・終身・養老の3種類はそれぞれ役割が違います。ライフステージと目的に合わせて組み合わせることで、無駄なく確実に家族を守る設計ができます。
あなたの家族に、本当に必要な保障額は?
「遺族年金でいくらもらえるか」「団信の範囲はどこまでか」「定期と終身、どう組み合わせるか」——数字を出してみると、保険の見直しポイントが見えてきます。個別相談では、ライフプランに合わせた保障額の試算もお手伝いしています。
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